シルクは自宅でも洗えるの?生地の寿命を縮めない正しい洗濯方法

シルク(絹)は、上品な光沢と滑らかな肌触りが特徴のラグジュアリーな高級繊維。素材の美しさと心地よさを長く楽しみたければ、取り扱いには少しばかり注意が必要です。
お家で洗濯したことにより、
・色落ちした
・光沢がなくなった
・手触りが悪くなった
などの現象が起こってしまうのは、正しいお手入れができていないからかも知れません。
そんな失敗を防ぐために、今回はシルクの正しいお手入れ方法を解説!適切な洗濯方法や、お手入れの注意ポイントも紹介していきます。
目次
シルク繊維の特徴
シルクを長持ちさせるには、素材の性質を理解しておくことも大事。まずは、シルクがどんな素材なのか、簡単にご説明します。
シルクは蚕の繭から取れる動物由来の天然繊維で、美しいだけでなく、機能性にも優れた素材です。
・低刺激で、肌に優しい
・吸湿性・放湿性が高く、蒸れにくい
・保水力があり、乾燥しにくい
・肌や髪への摩擦ダメージを軽減
・有害な紫外線を吸収する
多くのメリットがあり、フォーマルな装いから日用品まで幅広く使用されているシルクですが、一方で以下のような弱点も見られます。
・水に弱く、シミになりやすい
・摩擦に弱く、白化(毛羽立ち)しやすい
・紫外線に弱く、黄変しやすい
・熱に弱く、高温のアイロンで縮むことがある
シルクは非常にデリケートで、取り扱いが難しくもある繊維です。雑に扱うと生地が傷んでしまうため、長く使いたければ正しいお手入れが欠かせません。
シルクはクリーニングに出すべき?
着物やドレスのように、扱いが難しいシルク製品はクリーニングに出した方が安心です。なぜなら、クリーニング店では繊維の傷みを最小限に抑えるドライクリーニングも行っているから。
ドライクリーニングとは、専用の石油系溶剤で汚れを落とす特殊な洗濯方法のこと。ドライクリーニングではシルクの弱点である水を使用しないので、生地が傷みにくいと言われています。
ちなみに、ドライクリーニングは家庭用洗濯機の「ドライコース」と混同されやすいのですが、2つは全くの別物です。
ドライコースは、中性洗剤を用いてやさしく洗う洗濯モード。ドライクリーニングとは違って洗濯時に水を使用するので、繊維が傷むリスクがあります。
大切にしたいシルクに限ってはクリーニングに出した方が良いでしょう。
シルクを洗濯する前に確認すべきこと
シルク製品の中には自宅で洗濯できるものもありますが、いずれにせよデリケートな素材。生地を傷めないためにも、ここでは洗濯前にやるべきことをまとめました。
①洗濯表示の確認
衣類や寝具についている、洗濯表示タグを確認します。桶の中に手を入れているような「手洗いマーク」が記載されていれば、自宅でも手洗い可能な製品です。
ただし、桶のイラストの上から大きな×が書かれていたら手洗いは不可。自宅での洗濯は避けて、クリーニングに出しましょう。
②シルク専用洗剤の準備
シルク製品を自宅で洗濯する際は、シルク専用洗剤をご準備ください。市販の中性洗剤でもシルクを洗うことはできますが、生地がキシキシしたり、ごわごわになったりします。
シルク専用洗剤は素材を傷めることなく綺麗に洗い上げる、シルクに特化した洗剤。シルクの風合いを損ないたくなければ、中性洗剤ではなく、シルク専用洗剤の使用がおすすめです。
COCOSILKでも、シルク専用洗剤「SILK LAUNDRY」を独自開発。美しい光沢や滑らかな肌触りを保ちながら、シルク製品を長く・心地よく使っていただくために開発しました。
「SILK LAUNDRY」は、シルクの主成分が髪や肌と同じたんぱく質であることに着目。髪をやさしく洗う「シャンプー」と同じ成分で、ダメージを抑えつつシルクをうるつやに洗い上げる洗剤です。
一般的な中性洗剤やおしゃれ着洗いでも洗濯できますが、よりシルクを長持ちさせたい方は洗剤選びにもこだわると◎。
③色落ちテストを実施(※シルク専用洗剤を使用しない場合)
シルクは水に濡らすと、色落ちや縮みが起こる場合があります。特に色柄物のシルクはたとえ「手洗いマーク」があったとしても、いきなり水につけると美しい発色が損なわれる可能性も。
COCOSILKの洗剤を使用しない場合は、洗濯前に色落ちテストを実施しましょう。
【用意するもの】
・シルク製品
・シルク専用洗剤
・白い布やタオル、ティッシュ、キッチンペーパーなど
【色落ちテストの手順】
1)目立たない箇所に洗剤を垂らしてから、5分ほど待ちます。
2)時間がきたら白い布やタオル、ティッシュ、キッチンペーパーなどを使って洗剤をつけた箇所を軽く叩きます。
3)色移りはないか、色や柄がにじんだり、生地が薄くなったりしていないかなどを確認します。問題がなければ、そのまま洗濯に使用してOK。色移りしていたらその洗剤の使用は避け、シルク専用洗剤を試すか、クリーニングに出しましょう。
シルクの洗濯方法 ①手洗い編
ここからは、シルクの正しい洗い方をご説明します。デリケートなシルクを長持ちさせるには、手洗いが基本です。
【用意するもの】
・洗濯桶や洗面器など
・シルク専用洗剤
・水または30度以下のぬるま湯
・バスタオル
・スポンジ(汚れがひどい場合)
【手洗いの手順】
1)洗濯液をつくる
洗い桶に水または30度以下のぬるま湯を入れて、シルク専用洗剤を溶かします。使用する洗剤の量は、パッケージに記載されている内容に従ってください。
2)やさしく手洗いする
布地を裏返したら洗濯液の中に入れ、生地の両側を持ってやさしく振り洗いをします。汚れが気になる時は、軽く押し洗いをしてください。
もしくは、気になる箇所をスポンジでポンポン叩きながら汚れを落としましょう。シルクをゴシゴシ擦ると毛玉や毛羽立ちができやすいので、力を入れずにやさしく洗うのがポイント。
3)泡が出なくなるまですすぐ
30度以下のぬるま湯を桶に入れたら、シルク製品を軽くすすぎましょう。すすぎの時も振り洗いや軽い押し洗いにとどめ、2〜3回ほどお湯を換えながら洗剤を落としていきます。
洗剤が残っていると変色や生地の劣化につながるので、洗剤はしっかり落としてください。
4)タオルで水気を取る
すすぎ終えたら軽く水気を切り、形を整えてからバスタオルの間に挟みましょう。タオルの上からシルクを軽く押し、水分をタオルに吸わせていきます。ただし、強い力で絞るのはNGです。
5)日陰で干す
洗濯後はすぐに形を整えて、陰干しをしましょう。干すときは手で形を整えながら伸ばすように干すと、乾いた時にシワができにくくなります。
【注意ポイント】
・シルク製品に、柔軟剤と塩素系漂白剤の使用は厳禁です。柔軟剤を使うと繊維が偏って、縫い目が乱れます。塩素系漂白剤は生地の変色や溶解の原因になるので、たとえ白物衣類でも使用はお控えください。
・シルク製品は、乾燥機の使用もNG。乾燥機に入れると繊維が固くなり、ゴワゴワすることがあるので、自然乾燥が基本です。
・シルクには紫外線を吸収する性質があり、直射日光に当てると変色する場合もあります。干す時や保管する際は、日光に当てないようご注意ください。
・シルクを傷めずに洗うコツは、短時間で洗いあげること。長時間シルクを液体に浸しておくと、生地の劣化を招く恐れがあります。
シルクの洗濯方法 ②洗濯機編
シルク製品は手洗いが基本ですが、どうしても手洗いが難しい方のために洗濯機で洗う手順もまとめました。
【用意するもの】
・洗濯ネット
・シルク専用洗剤
【洗濯機洗いの手順】
1)洗濯ネットに入れる
生地を裏返しにして畳み、洗濯ネットに入れてください。
2)手洗いモード(ドライモード)に設定する
洗濯機にシルク専用洗剤を入れ、おしゃれ着洗いができる「手洗いモード」や「ドライモード」に設定して洗濯を開始。
3)脱水は短時間で
脱水をする場合は、短時間で十分です。洗濯ネットに入れたまま、15~30秒ほど脱水をします。
4)日陰で干す
干すときは手洗い同様、陰干しをしてください。
アイロンのかけ方
シルクは非常に柔らかで心地いい素材ですが、一方で熱に弱いという性質も。「アイロンをかけても大丈夫?」とお悩みの方のために、ここではアイロンがけの注意点を解説していきます。
結論からいうと、多くのシルク生地はアイロンがけに対応しています。ただし、洗濯表示タグがある場合は表示内容に従ってください。
【用意するもの】
・アイロン
・アイロン台
・当て布(白いハンカチや手ぬぐいなど)
【アイロンの手順】
1) 低めの温度に設定する
シルクのシワは低温でも簡単にとれるため、アイロンの温度は110℃~130℃の低温に設定しましょう。高温のアイロンをシルクに当てると、縮みや変色の原因になります。
2) 当て布をする
シルクを熱から守るためには、当て布の使用もおすすめです。ただし、色移りしないよう、当て布には白い布をご利用ください。
【注意ポイント】
アイロンがけの際は、スチームの使用も厳禁です。水滴や水の汚れがシルクにつくと、シミになる恐れがあります。
正しいお手入れで、シルクを長持ちさせよう!
シルクはとっても繊細な繊維。だからこそ、長く愛用するためにはお手入れにも配慮が必要です。コットンなどの強い素材と同じように、ガンガン洗濯機で洗う…というわけにはいきません。
けれど、シルクのお手入れに適した専用洗剤があれば、今まで諦めていた様々なシルクアイテムもお家でのお手入れが可能に!ご家庭で洗濯する場合は、シルク専用洗剤を使って丁寧に洗いましょう。
COCOSILKのシルク専用洗剤は、大切なシルクを毛羽立ちや変色から守ります。他の中性洗剤とは一味違う上質な洗い上がりを、ぜひご自宅でご実感ください。