シルクの「匁 (もんめ) 」とは?生地選びのポイント

シルクの「匁 (もんめ) 」とは?生地選びのポイント

「繊維の女王」として君臨し、古来より世界中の女性を虜にしてきたシルク。美しい見た目と優れた機能に惹かれてシルクを購入する人は少なくありませんが、実はどんなシルクも同じというわけではありません。では、自分好みのシルク製品を選ぶためにはどこに着目すれば良いのでしょうか。

 

目次

 

 シルク製品を選ぶ時に参考にしたい「匁(もんめ)」

使い心地の良いシルク製品を選ぶなら、品質を見極めることが大切です。そのためにも知っておきたいのが、匁という単位です。

 

●匁とは

匁はシルクの重さを表す単位で、かつて日本で使用されていた尺貫法と呼ばれる単位の一つです。匁は江戸時代に使われていた銀貨の重さを表す単位でもありますが、今でもシルクやタオルの重さを表すときに匁という単位が使われています。とはいえ、現在では重さの表示にはほとんどg(グラム)が使われていて匁という表示はあまり見かけないので、1匁と言われてもすぐに重さを答えられる人は少ないでしょう。
1匁は3.75gで、5円玉と同じ重さです。シルクの生地では、93cm四方の生地にどれくらいの量のシルクが使われているかを表します。例えば、16匁なら16×3.75g=約60g、19匁なら19×3.75g=約72gのシルクが使われているということです。

 

●匁数が大きいと生地は厚くなる

一般的に流通しているシルクは大半が12匁以上になり、匁数が大きくなればなるほど高級感が味わえます。匁数は大きいほど生地に厚みがありますが、その分、価格も上がります。だからといって、一概に匁数が大きければ良いというわけでもありません。柔らかな風合いを出したい製品には20匁以下、耐久性の高さを必要とする製品には22匁以上など、生地を使い分けることでシルクの良さをより実感できるでしょう。

【16匁】とても柔らかく、軽い仕上がり。シャツやブラウス、スカーフなどの素材にも用いられています。


【19匁】柔らかく、軽い仕上がり。寝装品には19匁以上のシルクが多用されていて、掛け布団カバーにも適しています。


【22匁】厚みがあり、丈夫な仕上がり。耐久性の高さを必要とするシーツなどには、22匁以上のシルクが適しています。


【25匁】しっかりとした厚みがあり、重厚感のある仕上がり。密度が高く丈夫で、高級感のある肌触りが楽しめます。

 

匁数を指標にしたシルク製品別生地選びのポイント

シルク製品はアイテムによっても、適した匁数が異なります。頻繁に使うアイテムに匁数の低いシルク製品を選んでしまうと長持ちしなかったり、安っぽく感じられたり。シルクの魅力を存分に味わっていただくためにも、製品ごとにおすすめの匁数をまとめましたので、購入時の参考にしていただければと思います。

 

●シルク製枕カバーにおすすめの匁数

 

優雅な光沢としなやかな肌触りで、世界中のセレブリティから愛されてきたシルクの枕カバー。美しい見た目はさることながら、機能性も評価され、シルク製枕カバーのファンは増え続けています。
シルクといえば髪や肌に優しい素材としても知られていますが、シルク製の枕カバーはヘアケア目的やスキンケア目的で使用する人もいるほどです。シルクのなめらかな肌触りは摩擦が起こりにくいので、髪の絡まりや寝ぐせの防止に役立ちます。寝返りも打ちやすく、睡眠の邪魔をしません。美容効果を求める方にはもちろんのこと、睡眠の質を向上したい方にも選ばれています。
では、シルク製の枕カバーにはどのくらいの匁数が適しているのでしょうか。枕カバーには通常16〜30匁のシルクが使われていますが、枕カバーは毎日使うものだから19匁以上の生地がおすすめです。柔らかな使用感を求める方は19匁、重厚感や丈夫さを求める方は22匁以上を選ぶと良いでしょう。25匁の枕カバーを使うと、まさに極上の寝心地が味わえます。

 

●シルク製ナイトキャップにおすすめの匁数

就寝中に被って髪の乱れなどを防ぐナイトキャップにも、シルクが使われている製品があります。シルク製のナイトキャップは全周にゴムが縫い付けてあるタイプやリボンで結ぶタイプ、ロングヘア用の筒状タイプなど種類は様々ですが、キャップの中に髪をおさめて保護するという目的は同じです。
特にシルク製のナイトキャップは枕カバー同様、ツルツルとしたなめらかな生地によって摩擦が起こりにくくなるため、髪への負担を減らすことができます。さらに、シルクは保湿性にも優れており、髪と頭皮を乾燥から守ります。
そんなナイトキャップには、どのくらいの匁数が適しているのでしょうか。ナイトキャップは枕カバーとは違ってすっぽり頭を覆うものなので、軽さも重視したいポイントかと思われます。品質も被り心地もどちらも諦めたくない方には、19匁がちょうど良いかもしれません。

 

●シルク製パジャマにおすすめの匁数

高級感溢れるシルクのパジャマも肌触りが良く、着心地の良さから朝までぐっすり眠りたい方に選ばれています。吸湿性に優れたシルクは汗をかいてもすぐに吸収して放出するので、蒸れにくく肌がベタつきません。摩擦も起きにくく、静電気の発生を抑えてくれるので、肌への刺激が少ないところも魅力的。肌に優しい素材だから、敏感肌の方も安心して着用できます。
シルクの快適な着心地を追求するならば、19匁のパジャマがおすすめです。軽くて柔らかなシルクが体を優しく包み込むから、快適な寝心地が続きます。着心地よりも耐久性にこだわりたい方は、厚みのある22匁を選んでも良いでしょう。

 

シルクにまつわる匁以外の単位

シルクの生地の重さを表す匁という単位はシルクの品質の指標にもなるため、匁数を確認することで、より自分好みの製品を選べます。なお、シルクには匁以外の単位もありますので、参考までに紹介させていただきます。

 

●シルクの糸の太さを示す「デニール」

絹糸の太さを表すときは、デニールという単位が使われます。デニールというと、タイツやストッキングを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?デニール表示では、 9000mの糸の重さが1gならば1D(1デニール)と表示します。つまり、糸の長さ9000mに対し、重さは何gあるかというのがデニール表示になります。
デニールという単位は、長繊維を撚り合わせて作ったフィラメント糸に用いる単位です。長繊維の原料にはシルクをはじめ、ナイロンやポリエステルなどがあり、デニール数は大きくなればなるほど糸が太くなります。
これに対し、綿や麻、ウールなど短繊維を撚り合わせて作る糸の太さを表す単位には糸番手が使われます。番手はデニールとは逆で、数が大きくなればなるほど糸が細くなります。

 

●生地の密度を表す「打ち込み本数」

打ち込み本数は、生地1インチ(2.5cm)四方の生地に織り込まれているタテ糸と横糸の合計本数です。打ち込み本数は生地の密度を見分ける目安でもあり、本数が多いほど生地の密度は高くなります。打ち込み本数が多いということは高度な技術を用いて細い糸を緻密に織り込んでいるということなので、密度の高い高級素材になります。
ただし、打込み本数が同じであってもすべての生地の厚みや重さが同じというわけではありません。生地の厚みや重さは糸の太さによっても変わりますので、触ってみた時に肌触りの良い生地を選ぶのがポイントです。なお、打ち込みは英語でスレッドカウント(Thread Count)と言い、海外では300TCのように表記しています。

 

匁の数が物語るシルクの品質

たくさんのメリットを持つシルクだからこそ、魅力を存分に味わいたい。そのためにも、シルクを選ぶときには匁という表示にも少しだけ気を配っていただければと思います。アイテムごとに適した匁数と用途や好みを照らし合わせて、最適な1枚をお選びください。

 

 

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