美髪になれるって本当?
ナイトキャップの種類と選び方

 艶のある美しい髪は、女性にとって永遠の憧れ。いつまでも若々しく美しい髪でいたければ、日々のケアがとても大切です。 ナイトキャップの種類と選び方   お風呂から出てタオルドライして、アウトバストリートメントを塗ってブローして。それなのに、翌朝の髪がバサバサになっているとしたら、寝ている間のケアに問題があるかも…。 就寝中はあなたが思っている以上に、髪はダメージを受けています。だからこそ、寝ている間のケアも忘れてはいけません。 けれど、寝ている間にケアなんて出来るの?その答えは、YES。 被って寝るだけで、髪が綺麗になる夢のようなアイテムがあります。それが、ナイトキャップです。


ナイトキャップとは?

ナイトキャップとは

 ナイトキャップとは、髪の乱れを防ぐために寝ている間に被る帽子のことです。帽子といっても就寝中に被るものなので、つばは付いていません。柔らかい布製で、被ると頭にフィットします。 ナイトキャップの起源は、中世ヨーロッパ。シラミ防止や防寒目的で、ナイトキャップを被っていたと言われています。かつらが流行した近世ヨーロッパでは、かつらを外した時の短髪を隠すためにナイトキャップが使われていました。 伝統的なナイトキャップには男性用と女性用があり、それぞれデザインが異なります。女性用のナイトキャップはグリム童話の「赤ずきん」に登場するおばあさんになりすましたオオカミが被っている帽子で、ドアノブカバーのような形をしていました。 一方、男性用のナイトキャップはサンタクロースが被っているような帽子で、先端に飾りが付いた円すい形をしていました。最近では形のバリエーションも増え、デザインも豊富です。 ナイトキャップはもともと日本ではあまり馴染みのないものでしたが、近頃は寝具との摩擦を防いだり、髪が広がらないようにしたり、ヘアケア目的で被る人も増えています。


ナイトキャップに期待できる効果

寝ている間に被るだけで髪が綺麗になると話題のナイトキャップですが、実際に使ってみると様々な効果が実感できます。


1. 摩擦によるダメージの軽減

睡眠中、私たちの髪は思いのほかダメージを受けています。大人は一晩のうちに20〜40回程度、寝返りを打つと言われていますが、寝返りを打つと寝具と髪、髪同士が擦れて摩擦が発生し、髪の表面を覆っているキューティクルが剥がれてしまいます。 すると、ツヤが失われてパサパサの髪になったり、指通りが悪くまとまりのない髪になったりして、いくらセットしてもイマイチの仕上がりに。ナイトキャップには寝ている間の摩擦を防ぐ効果があるので、就寝中に被ると髪へのダメージを減らせます。 ナイトキャップはもともと日本ではあまり馴染みのないものでしたが、近頃は寝具との摩擦を防いだり、髪が広がらないようにしたり、ヘアケア目的で被る人も増えています。


2. 髪と頭皮の乾燥防止

乾燥はお肌の大敵ですが、髪や頭皮も顔や体の肌と同じように乾燥するので、保湿がとても大切です。髪が乾燥するとパサパサになり、切れ毛や枝毛の原因に。頭皮が乾燥するとフケが増えて、痒みを感じることも。 寝る前にナイトキャップを被っておけばキャップ内が適度な湿度に保たれるので、髪と頭皮を乾燥から守ることができます。特にヘアカラーやドライヤーの後は髪や頭皮が乾燥しやすい状態なので、保湿が欠かせません。 さらに冬場は特に乾燥しやすい時期なので、保湿性に優れたナイトキャップが活躍します。


3. 寝ぐせ予防

朝のスタイリング時間を短縮したい。そんな悩みも解決してくれるのが、ナイトキャップです。帽子を被ると髪を固定することができますが、ナイトキャップも同じで、被ると髪の動きを抑えることができます。 髪が固定されると絡まなくなりますし、摩擦も軽減されて髪の広がりを防げます。寝ぐせもつきにくくなるので、朝のスタイリング時間が短縮されますし、ヘアアレンジもしやすくなります。特に、扱いにくい猫っ毛やくせ毛の方にはおすすめのヘアケアアイテムです。 ただし、ナイトキャップの被り方次第では寝ぐせがついてしまうこともあるので、闇雲に被れば良いというわけではありません。髪を乾かしてから被る、ロングの方は髪を雑に入れないなど、最低限の注意事項を守ることが寝ぐせの軽減につながります。


4. 就寝中の暑さ寒さ対策

頭全体をカバーするナイトキャップは、季節や気温による悩みも解消してくれます。蒸し暑い真夏の夜は汗で首や顔周りに髪が張りついて、不快感を覚えることもあるでしょう。ナイトキャップを被れば、髪をすっきりまとめることができます。 寝汗も吸収してくれるので、不快感から解放されて朝まで快適に眠れるようになります。また、冬は頭部が冷えて寝つきが悪くなりがちですが、ナイトキャップで頭部を包み込めば冷え対策もばっちり。快適な環境が整うと、睡眠の質の向上にもつながります。 ナイトキャップは暑くて寝苦しい夜も寒くてなかなか寝つけない夜も季節を問わず使えるので、1つ持っていると安心です。


ナイトキャップの素材

ツルツルとした手触りで光沢のあるナイトキャップに、伸縮性のある布でできた柔らかなナイトキャップ。 すべてが同じ繊維や生地で作られているわけではないので、素材の特徴も知っておくと、あなたにぴったりのナイトキャップが見つかります。


ナイトキャップに使われている生地の種類


1. サテン

光沢があってツルツルとした手触りのナイトキャップは、サテン生地で作られています。サテンとは朱子(しゅす)という織り方で織った織物のことで、タテ糸もしくはヨコ糸が表面に浮き出て見える織り方を朱子織りといいます。 サテンには上品な光沢感があり、ソフトな肌触りで引っかかりにくいといった特徴があります。シルクと混同されがちですが、サテンというのは折り方の名称であって、原料は決まっていません。 シルクや綿など高級な素材で作られたサテン生地もあれば、ポリエステルなど合成繊維でできたサテン生地もあります。したがって、美肌効果や美髪効果を求める方は原料までチェックすることをおすすめします。


2. ニット

サテン生地と並んで多いのが、ニットで作られたナイトキャップ。ニットは1本の糸でループを作りながら編まれた生地のことで、伸縮性に優れています。ニットの服は体にフィットするので、着心地が良いといった特徴があります。


ナイトキャップに使われている繊維の種類


1. シルク

ナイトキャップによく使われている素材といえば、上品な光沢が特徴的なシルクです。シルクは蚕(かいこ)の繭からとれる天然繊維で、動物繊維のひとつ。着物やドレスなどに使われている絹のことで、高級衣類には欠かせない繊維です。 シルクの特徴といえば、肌に優しい素材であること。18種類のアミノ酸で構成されるシルクは人間の皮膚のタンパク質構造にきわめて近く、皮膚への刺激が少ないという特徴から、肌が弱い方も安心して使えます。 しかも、シルクの吸湿性と放湿性は綿の約1.5倍。蒸し暑い季節は汗を素早く吸収・放出し、適度な湿度が保たれます。繊維と繊維の間に空気を多く含み、断熱性にも優れているから冬場も冷たくありません。 細い繊維が集まってできていて、肌触りも滑らかです。保湿性にも優れているので静電気が起きにくく、チリやホコリを寄せ付けません。 シルクナイトキャップ そんなシルクで作られたナイトキャップには
・汗を吸収して放散するため、蒸れにくい
・適度な湿度が保たれるので、乾燥しにくい
・静電気が起こりにくく、滑らかな触り心地で肌に優しい
・夏は涼しく冬は暖かく、オールシーズン使用可能
・潤いを逃さないから、髪の手触りが良くなる
・保湿力を高めて頭皮環境を整え、髪にツヤを与える 
といった特徴があり、美髪効果を求める方にはもちろん、髪の傷みや乾燥によるパサつきが気になる方にもおすすめです。


2. コットン

シルクに並んでよく使われている素材が、コットン(綿)になります。コットンは植物の木綿の種から取れる天然繊維で、植物繊維のひとつ。タオルや下着、Tシャツなどに使われている身近な素材です。 コットンはふんわり柔らかい肌触りが特徴で、先端が丸みを帯びているため、肌への刺激が少なめです。吸水性・通気性にも優れた繊維で、内側の水分を吸収して外に放出しますが、放出するときは熱も奪うので夏は涼しく快適です。 熱伝導率が低いため、冬は体温を逃さず、寒い日も暖かく着られます。静電気も起こりにくく、乾燥する季節にも使いやすい素材です。他の天然繊維と比べて水に強く、耐久性・耐熱性に優れているので、お手入れしやすいといった特徴もあります。 コットン製ナイトキャップ コットン製のナイトキャップには、
・通気性が良いので、長時間被っても蒸れにくい
・静電気が起こりにくい
・なめらかな肌触りでチクチクしないので、肌に優しい
・丸洗いできて、お手入れが簡単
・夏は涼しく冬は暖かく、オールシーズン使用可能
といったメリットがあり、その機能性の高さから、医療用帽子として販売されている商品も少なくありません。


3. 化学繊維

天然繊維のほかに、ポリエステルやポリウレタンなど化学繊維で作られたナイトキャップもあります。化学繊維にも様々な種類がありますが、ナイトキャップに使われているポリエステルやポリウレタンは主原料が石油の合成繊維に属する繊維です。 ポリエステルはシワになりにくく型崩れしにくいといった特徴があり、ワイシャツやスーツ、ブラウス、フリースと私たちが普段着ている衣類に広く使われています。ポリウレタンは伸縮性に富んだ合成繊維で、ゴムのように伸び縮みすることから、水着やストッキングなどに使われています。 化学繊維は型崩れしにくいので、お手入れが簡単です。強度も高く、丈夫で長持ちしますし、安価で入手できる点もメリットといえます。ただし、化学繊維は吸湿性が少なく、静電気が起きやすいといったデメリットもあります。 化学繊維のナイトキャップ
化学繊維のナイトキャップには
・洗濯しやすい
・安価で長持ちするので、コスパが良い
といった特徴がありますが、静電気で痒みを感じることもあるため、肌の弱い方はシルクやコットンなど天然繊維を選ぶと安心です。化学繊維のナイトキャップでも髪を固定して摩擦を減らしたり、 キャップ内に髪をおさめてすっきりさせたりすることはできますが、美髪効果よりもコスパ重視で選ばれる傾向にあります。


ナイトキャップの形状

被って髪を入れるだけのナイトキャップに、締めつけが気にならないナイトキャップ。使い心地にも差があるので、自分に合った形状を選べば、被る時や寝ている時の快適さも一段とアップします。


・キャップ型・ゴムタイプ
キャップ型・ゴムタイプ

ナイトキャップの中で最もメジャーな形は、ショートからロングまで幅広い長さの髪に対応したキャップ型です。特に多いのが全周にゴムが縫い付けてあるタイプで、簡単に着用できる点が魅力です。 ゴムタイプは被って髪を中に入れるだけなので、リボンを結ぶなどの手間がかかりません。ゴムでしっかり固定できるので脱げにくく、キャップに入れ残した髪があっても後から簡単にしまえます。 ただし、サイズが合わないと締めつけやゴムの跡が気になる可能性もあるので、自分に合ったサイズを選ぶのがポイントです。


・キャップ型・リボンタイプ
キャップ型・リボンタイプ

ゴムの跡や締めつけが気になる場合は、サイズの調節ができるリボンタイプのナイトキャップもあります。首の後ろに結び目がくる「後ろ結びリボンタイプ」と頭の前に結び目をつくる「前結びリボンタイプ」がありますが、 仰向けで寝る方には前リボンがおすすめです。ただし、リボンが長い分、後ろリボンよりは少しお値段が高くなります。ゴムのように締めつけがない分、寝ている時の快適さは増しますが、リボンを結ぶという手間は発生します。


キャップ型・シンプルタイプ
キャップ型・リボンタイプ

後頭部のみゴムになっているシンプルタイプは、ゴムの跡が気になる、ロングヘアだと被るのが難しいというお悩みも解消したナイトキャップです。髪の長さに関係なく使えて、ロングヘアもすっぽりキャップ内におさまります。 リボンで結ぶ手間もなく、簡単に着用できる点も魅力です。なお、キャップ型はショートヘアからロングヘアまで使用できる万能な形状にはなりますが、ロングヘアで寝ぐせが気になるという方は髪を雑に入れないよう注意が必要です。


ロングヘア専用

ロングヘア用のナイトキャップには、主に筒状と袋状の2パターンがあります。筒状のナイトキャップはネックウォーマーを着用する要領で、一度キャップを首まで通します。その後で、ナイトキャップを引き上げて髪をすべて覆えば完成です。 着脱簡単で、締めつけもありません。ただし、筒状のナイトキャップはニット製のものが多く、伸縮する分、脱げやすいといったデメリットも。気になる方はヘアクリップで髪に固定するなど、脱げない工夫が必要です。 袋状のナイトキャップはかぶり口の全周にゴムがついているので、袋部分に髪をまっすぐ入れてキャップを被るだけ。髪を折らずにキャップ内におさめることができるので、ロングの方も癖になりにくいでしょう。 ただし、筒状も袋状も髪が長すぎるとキャップから飛び出たり、毛先が折れ曲がったりして癖がつくこともあります。


ショートヘア専用

紐を顎の下で結ぶ、フードタイプもありました。ただし、フードタイプは肩より髪が短い方を対象にした商品なので、フードから襟足が出てしまうと外ハネの癖がつくという難点も。 ナイトキャップを選ぶときは髪の長さも考慮した上で自分に合う商品を選ぶと無理なく続けられますが、初めてナイトキャプを使用する方はオーソドックスなキャップ型から試したほうが使いやすいかもしれません。


ナイトキャップは美髪を目指す人のミカタ

 うるツヤ髪
就寝中の髪や頭皮は、摩擦・乾燥と思いのほかダメージを受けています。そんなダメージから守ってくれる、夢のようなヘアケアアイテムがナイトキャップです。 ただし、今回ご紹介したようにナイトキャップは様々な素材で作られていますので、美容目的ならシルク、医療用ならコットン、コスパ重視なら化学繊維と目的に合わせた素材を選ぶとことで、より高い効果が実感できます。 目的に合った素材と髪の長さに適した形状から、あなたにぴったりのナイトキャップを選んでご使用ください。