シルク枕カバーの効果とは?メリットやデメリットもご紹介!
枕カバーは、汚れを防ぐために使うもの。そう思っている方もいるかもしれませんが、枕カバーの用途はそれだけではありません。枕カバーは選び方次第で、肌荒れ防止などの美容効果や睡眠の質の向上など、嬉しいおまけが付いてきます。もしも肌や髪が綺麗になる枕カバーや朝までぐっすり眠れる枕カバーがあるとしたら、試してみたくないですか?
ここでは、嬉しい効果満載のシルク製枕カバーのメリットやデメリットについて、徹底的にご紹介していきます。
目次
枕カバーの役割
肌や髪に直接触れる枕は、寝具の中で最も汚れやすいアイテムです。枕をいつも清潔に保つためにはお洗濯が欠かせませんが、枕は簡単に洗濯できるものではないので、汚れを防ぐためには枕カバーが必要です。
枕カバーは取り外しができるので、洗濯すれば汚れもイヤな臭いも取り除けます。枕カバーを装着しておけば衛生的ですし、破損からも守ってくれます。
しかも、肌に直接触れる枕カバーは寝心地にも影響を与えることをご存知でしょうか。
快適な寝心地の実現に不可欠な要素と言えば、温度や湿度の調節です。枕カバーの中には蒸れやヒンヤリ感を防いでくれる製品もあるので、選び方次第では寝心地が一段とアップするでしょう。
快適な睡眠環境を整えてくれる枕カバーを選べば睡眠の質の向上にも繋がり、ぐっすり眠れていない方もよく眠れるようになるかもしれません。
素材によっては、肌や髪に嬉しい効果をもたらしてくれる枕カバーもあります。一日の睡眠時間は平均7〜8時間ともいわれていますが、枕カバーが髪や肌に触れている時間は決して短いものではありません。
肌や髪を大切にしたい方や睡眠の質にこだわりたい方は、枕カバーの素材選びも重要です。
枕カバーに使われている繊維の種類
枕カバーには主に天然繊維と化学繊維が使用されていますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。まずは、2つの繊維の特徴と種類からご説明します。
●天然繊維
天然繊維とは、自然界に存在する天然素材を原料とする繊維です。そもそも私たち人間も自然界に存在する生物なので天然繊維との相性はとても良く、人工的に作られた化学繊維に比べて敏感肌の方でも安心して使用することができます。
天然繊維は吸湿性に優れているから、汗をかいても素早く吸収してくれます。蒸れにくく、菌も繁殖しにくいので清潔です。
保温性にも優れた繊維で、季節を問わず快適に過ごせます。静電気も起こりにくく、ホコリを吸着しにくいといったメリットもあります。
なお、枕カバーに使用されている天然繊維は主に植物繊維と動物繊維の2つになります。
【枕カバーに使われている主な天然繊維】
コットン(綿):肌触りの良いコットンは肌に優しく、敏感肌の方や赤ちゃんにも安心の素材です。
リネン(麻):ひんやりサラッとした触り心地と優れた吸湿発散性が特徴で、夏場に快適な素材です。
カシミヤ:カシミヤ山羊から採取される非常に細い繊維で、とても柔らかです。
シルク(絹):蚕の繭から取れる繊維で、美しい光沢となめらかな肌触りが特徴です。
●化学繊維
天然繊維に対して、人工的に作られた繊維を化学繊維と言います。
化学繊維は原料や製造方法により、再生繊維・半合成繊維・合成繊維・無機繊維の4つのグループに分類できますが、現在生産されている化学繊維の枕カバーは石油を主原料とする合成繊維が多いようです。
合成繊維といえばシワになりにくい、型崩れしにくいといったメリットがあり、お洗濯が簡単です。ただし、天然繊維とは違って吸湿性や通気性が低く、静電気も起こりやすいので、ホコリや花粉を寄せつけてしまうというデメリットがあります。
【枕カバーに使われている主な化学繊維】
ポリエステル:ペットボトルと同じ原料から作られている合成繊維です。耐久性が高く、ほとんどの製品が洗濯機で洗えます。
レーヨン:化学繊維ではありますが、木材パルプという天然素材が原料の再生繊維です。シルクに似ていて、生地には艶や光沢があります。
シルクとはどんな素材?
枕カバーに使われている素材には天然繊維と化学繊維がありますが、体のことを考えるなら天然繊維がおすすめです。
中でもシルクは蚕の繭から取れる天然繊維で、タンパク質からできています。
実は私たち人間の体も水分を除くとタンパク質の割合が多く、シルクと人間の肌はとても親和性が高いのです。
そんなシルクは人間の肌のタンパク質構造にとてもよく似ていることから、「第二の肌」とも呼ばれています。
シルクは肌に余計な刺激を与えないので、皮膚が弱い方や化学繊維が合わない方も安心して使える素材です。
枕カバーだけでなく、掛け布団にシーツ、パジャマと様々な寝具に使用されていますので、肌に優しいシルクをまとえば心地よい眠りに誘われるでしょう。
シルク製の枕カバーを使う4つのメリット
シルクは肌に優しい素材なだけではありません。シルクが持つ優れた性質は、私たちに様々なメリットをもたらしてくれます。
①摩擦を減らす滑らかな肌触り
とろけるような滑らかな肌触りが特徴のシルクは、肌との摩擦が起こりにくい素材です。摩擦が少ないと肌や髪へのダメージも減らせますし、寝返りもスムーズに打てるようになります。
②優れた吸湿性・放湿性
シルクは天然繊維の中でも特に、吸湿性と放湿性に優れた繊維です。吸湿性は水分を吸い取る性質で、放湿性は吸収した水分を放出する性質ですが、吸放湿性はコットンに比べて1.5倍ほどあるとも言われています。シルクの枕カバーを使って眠ると、汗をかいても素早く吸収して外に放出してくれるから、蒸れにくく快適です。通気性も高いので、汗をかきやすいジメジメした蒸し暑い夏場もサラッとした感触が続きます。
③保温性が高く暖かい
シルクは、保温性にも優れた繊維です。なぜかというとシルクは多孔質構造といって小さな穴がたくさん空いていて、繊維の中に隙間があります。この隙間には空気をたくさん含むことができるので、外の温度に影響されにくいという特徴があります。温かい空気も逃がさないから、冬場も暖かく感じられるでしょう。
シルク製の枕カバーに期待できる美容効果
肌に優しい成分から成るシルクには、スキンケアやヘアケアといった美容効果も期待できます。なぜ、シルクの枕カバーは肌や髪に良いのでしょうか?その秘密を紐解いてまいりましょう。
●スキンケア
睡眠時、横向きに寝ている人は顔が枕カバーに触れている時間が長くなります。顔と枕カバーが触れているということは、少し寝返りを打つだけでも摩擦が起きるということ。摩擦による刺激が肌に加わると、肌荒れなどのトラブルを招く恐れがあります。
ところが、シルク製の枕カバーは肌触りがなめらかで摩擦も起こりにくいので、肌へのダメージは軽減されます。
実際にシルクの枕カバーに変えてから肌荒れが改善したという人もいて、スキンケア目的でシルクの枕カバーを愛用する人も増えてきました。
●ヘアケア
シルクのなめらかな肌触りは、髪表面にあるキューティクルの保護にも役立ちます。キューティクルとは髪の内部を刺激から守る組織で、いわゆる鎧のような存在です。
そんなキューティクルが剥がれされてしまうと髪内部の水分や栄養が流れ出し、枝毛や切れ毛、パサつきなどの原因に。
そこで枕カバーを摩擦の起きにくいシルクに変えると髪への刺激を最低限に抑えることができて、寝ぐせや絡まりも防げます。
シルクは保湿力も高く繊維の中に水分を多く保持できるので、乾燥しにくい素材でもあります。コットンのように水分を吸収する素材ではないので、シルク製の枕カバーは髪や肌に必要な水分まで吸収しません。
髪や肌に適度な潤いを残してくれるから、パサついた髪もしっとりまとまります。寝ている間は髪がダメージを受けやすい状態ですが、枕カバーを変えただけで髪にツヤが復活したという人もいるほど。
シルク製枕カバーはスキンケアもヘアケアもできる、メリット満載のアイテムなのです。
シルクの枕カバーがもたらす睡眠への影響
シルクの枕カバーは、肌や髪に良いだけではありません。
シルクの持つ性質は、私たちに上質な睡眠をもたらしてくれます。シルクの滑らかな肌触りは滑りを良くしてくれるので、寝返りを打ちやすくなります。
寝返りには血行促進や体温調節などの役割があり、質の良い睡眠には欠かせません。ところが、寝返りが上手く打てないと血流が滞ったり、体温調節できなかったりして眠りが浅くなります。
さらに、快適な眠りには湿度の調整と寝汗の吸収も必要です。
人は一晩にコップ一杯分の汗をかくと言われていますが、吸水性に優れたシルクなら汗を素早く吸収してくれます。
シルクは通気性にも優れているから、暑い夏でも蒸れることがありません。
季節を問わず快適な寝心地をもたらしてくれるので、朝までぐっすり眠れるでしょう。
シルク製枕カバーのデメリット
シルク製の枕カバーには、嬉しいメリットがたくさんあることがわかりました。ですが、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔してほしくないので、シルクの枕カバーのデメリットもお伝えしておきます。
①お洗濯には注意が必要
「シルクはお洗濯が面倒…」そう感じている方も、いらっしゃるはず。シルクは非常にデリケートな素材で水に弱いため、お洗濯には少し注意が必要です。
シルクを洗濯する時はまず、洗濯表示を確認します。
桶に手を入れるようなマークがあれば、手洗いOKという意味です。おしゃれ着用の中性洗剤とぬるま湯で洗い液を作って、液体の中を泳がせるように優しく振り洗いをします。
ご自宅でシルクを洗濯する場合、基本は手洗いになりますが、洗濯機を使用する場合は洗濯ネットに入れてドライコースで洗います。
お洗濯の失敗を防ぐコツがあるので、他の繊維に比べて少し面倒に感じられるかもしれませんが、慣れてしまえば難しいこともないでしょう。
②変色しやすい
人は日焼けをすると肌が黒くなりますが、シルクも紫外線を浴び続けると黄色く変色することがあります。
なぜシルクは変色しやすいのかというと、原因は成分にありました。シルクは人の肌と同じタンパク質で作られていますが、紫外線を浴び続けるとタンパク質を構成するアミノ酸が破壊されて、変色してしまうのです。
日光に弱く変色しやすいという点はシルクのデメリットである一方、紫外線をよく吸収するということは透過しにくいということでもあるので、このような特性を活かした製品も販売されています。
なお、黄変を防ぎたい方は天日干しではなく、陰干しが正解です。
③ツルツルしていて滑りやすい
シルクの滑らかな肌触りはたくさんのメリットをもたらす一方で、滑りやすさがデメリットになることも。感じ方には個人差があるので、それほど気にならないという人もいますが、滑りが気になる方は片面のみシルクでできた枕カバーなどを選んでみても良いのではないでしょうか。
シルク製枕カバーを選ぶときのポイント
シルク製枕カバーのメリットを存分に味わうためにも、枕カバー選びは重要です。とはいえ、種類が豊富なので、何を基準に選ぶべきか迷われるかもしれません。ここからは、シルク製枕カバーを選ぶ際のポイントをご紹介します。
①匁(もんめ)数を確認する
シルクの生地の重さは、匁という単位を使って表します。匁とは93cm四方に使われている繊維の重さで、1匁は3.75gです。匁は品質を見極める際の指標にもなっていて、匁の数が大きくなるほど厚みや重さが増していきます。
では、シルクの枕カバーにはどのくらいの匁数が適しているのでしょうか。枕カバーは毎日使うもだから、耐久性の高さも考慮して19匁以上の製品がおすすめです。ただし、ワンランク上の贅沢な寝心地を堪能したければ、25匁の枕カバーを選んでも良いでしょう。
②装着方法を確認する
枕カバーは装着方法から、主にファスナー付きと封筒型に分けられます。それぞれにメリットがあるので、重視するポイントと照らし合わせて適したタイプを選ぶことをおすすめします。
ファスナータイプ
開口部をしっかり閉じることのできるファスナー付きの枕カバーは枕の収まりが良く、カバー内で枕がずれたり、片寄ったりしにくい点が魅力です。開口部が閉じていると隙間も少ないため、ホコリやダニが侵入しづらいというメリットもあります。枕の出し入れもファスナーを開閉するだけなので、着脱も簡単です。
封筒タイプ
封筒タイプはカバーの片側が開き、そこから枕を出し入れする袋状の枕カバーです。封筒タイプにはファスナーが付いていないので、金属が肌や髪に直接触れる心配がありません。金属による刺激のない封筒型の枕カバーは、特に美容面を重視する方におすすめです。
紐タイプ
紐を結んで枕に固定するタイプの枕カバーで、金属が付いていない分、肌や髪への負担は軽減されます。ただし、結び目が枕の下にくる紐タイプは片面の枕カバーも多く、ずれやすいというデメリットがあります。結ぶという手間も発生するので、人によっては装着が面倒に感じられるかもしれません。
シルク製の枕カバーとナイトキャップ、おすすめはどっち?
ヘアケア効果があるのは、シルク製の枕カバーだけではありません。
摩擦を防ぐという特徴はシルク製のナイトキャップも同じですが、それぞれに異なるメリットとデメリットがあります。
・枕カバーはヘアケアだけでなくスキンケアもできるが、ナイトキャップはヘアケアのみ可能。
・枕カバーはいつものカバーをシルク製に変えるだけで良いが、ナイトキャップは毎日被るという手間が発生する。
・ナイトキャップは脱げると効果が感じられないが、枕カバーは脱げる心配がない。
・ナイトキャップは頭をすっぽり覆えるので毛先までケアできるが、枕カバーは枕からはみ出した毛先のケアはできない。
どこを重視するかによって選び方は変わってきますが、いずれにせよ髪に嬉しい効果をもたらしてくれるという点はどちらも共通しています。
メリット溢れるシルク製枕カバーで、より心地よく美しく。
睡眠面においても、美容面においても、嬉しいメリットをもたらしてくれるシルク製の枕カバー。高級な素材だし、お洗濯が面倒そう…という理由からシルクを避けてきた方もいるかもしれませんが、比較的リーズナブルな製品も増えていますし、慣れてしまえばお手入れもそれほど難しいものではありません。シルクはデメリットよりもメリットが上回る素材なので、まだ試したことがない方も是非、その効果を味わっていただければと思います。