シルクのしわが気になる!アイロンの正しいかけ方
上品な光沢と滑らかな肌触りが特徴のシルクは、デリケートな素材としても知られています。そんなシルクにシワがついてしまったら、アイロンをかけても良いのでしょうか。今回は「シルクにアイロンをかけても大丈夫?」という疑問にお答えするとともに、アイロンをかける時のポイントやアイロンを使わずにシワを伸ばす方法をご紹介します。
また、ECサイトで購入したシルク製品のシワについても併せてご説明しますので、シルクをより美しい状態で使用したい方は最後まで必見です。
目次
シルクにアイロンをかけても良いの?
シルクは蚕がつくる繭が原料の素材で、動物由来の天然繊維です。天然繊維は植物や動物から得られる自然の素材ですが、人工的に作られた化学繊維に比べてシワになりやすい傾向があります。シルクも全くシワができない素材ではないので、シワがついてしまった時はアイロンで伸ばしても構いません。
ただし、耐熱温度が低く、アイロンのかけ方次第では生地が台無しになる可能性もあります。美しい光沢と豊かなドレープ性を持ち合わせたシルクの魅力を長く楽しむためにも、正しいアイロンのかけ方を覚えておくことをおすすめします。
シルクにアイロンをかける時の注意ポイント
シルクの美しさを長持ちさせるアイロンがけのポイントは3つ。正しいアイロンの仕方を覚えて、シルクについているシワを綺麗に伸ばしましょう。
なお、アイロンをかける前には、念のため洗濯表示タグもご確認ください。もしタグにバツ印のついたアイロンマークがあれば「アイロン不可」という意味ですので、アイロンがけはできません。
【シルクにアイロンをかける時の注意点】
・衣類が半乾きの状態でアイロンをかける
・生地を裏返して当て布をする
・低温 (110度〜130度くらい) で軽くかける
それでは、アイロンがけのポイントを詳しく見ていきましょう。
・衣類が半乾きの状態でアイロンをかける
シルクにアイロンをかける時は、半乾きの状態でかけてください。布が乾燥している場合は、霧吹きで軽く湿らせてからアイロンをかけるとムラなく仕上がります。
シワ伸ばしというと、蒸気でシワを伸ばすスチームを活用する方もいらっしゃるかもしれませんが、シルクにスチームアイロンの使用はおすすめできません。なぜなら、スチームアイロンはシミ・縮みの原因になるからです。スチームアイロンしかお持ちでない方は水が汚れていないか確認し、当て布てをしてから使いましょう。
・生地を裏返して当て布をする
シルクにアイロンをかける時は、まず生地を裏返します。それから、綿のハンカチなどで「当て布」をしてください。当て布とは、生地とアイロンの間に布を挟むこと。シルクのようにデリケートな素材は直接アイロンをかけると生地へのダメージが大きいので、当て布をして負担を抑えます。
なお、当て布には無地の白い布がおすすめです。濃い色や柄物の当て布を使うと色がシルクに移ってしまう可能性があるので、注意が必要です。
・低温で軽くかける
シルクにアイロンをかける際の温度は、110~130℃を目安に設定しましょう。シルクは基本的に頑固なシワがつきにくく、低温でも十分にシワを伸ばすことができます。耐熱温度も低い素材なので、高温のアイロンを当てると変色や縮みの原因になります。
また、アイロンをかける時はなるべく短時間で終わらせることも大切です。デリケートなシルクに長時間アイロンを当て続けると、生地が傷んでしまいます。強い力で同じ場所を何度も往復したり、摩擦を起こしたりするのも毛羽立ちの原因になるのでNGです。シルクのシワを伸ばす時は生地の上を滑らせるのではなく、当て布の上からアイロンを2〜3秒ほど押しながらずらしていきましょう。
シルクのアイロン掛けによる失敗例
シルクはとても繊細な素材がゆえ、慎重にアイロンがけしたとしても失敗する可能性はあります。特にシルクのアイロンがけで起こりやすい失敗といえば、テカリ・変色・水シミ・縮みです。
・テカリ
テカリとは、生地の特定の部分に不自然な光沢が発生した状態です。テカリの原因は、アイロンの熱や圧力にあります。アイロンを強くあて過ぎると生地の表面がつぶれて平らになり、光が均一に反射して不自然な光沢が現れます。
・変色
アイロンによる変色は、生地が焦げて薄黄色に変色した状態です。同じ箇所に高温で数分間アイロンを当て続けない限り、生地が焦げるようなことは滅多にありませんが、長時間アイロンがけしたり、温度が高過ぎたりすると生地が焦げて変色を起こしてしまいます。また、高温でアイロンをかけると染料が溶けて生地に変色を起こす場合もあるので、くれぐれも温度設定にはご注意ください。
・水シミ
水シミとは、スチームアイロンをかけた時にできる水滴のシミのこと。シルク製品にスチームアイロンを当てると、生地に水滴が落ちて水シミができてしまいます。万が一、水シミができた時は霧吹きを使ってシミのある部分とその周辺をいったん濡らしてから乾かすとシミは消えるでしょう。ただし、頑固なシミは消えにくいので、スチームアイロンの使用はなるべく避けるのが正解です。
・縮み
高温のスチームを直接シルクに当てると、縮みの原因にもなります。スチームを当てた部分が縮むとしわくちゃに見えて、素材の美しさも台無しです。シルクの魅力を長持ちさせるためにも、スチームアイロンの使用は控えましょう。
アイロンをかけずにシルクのシワを伸ばす方法
シルクは熱に弱い素材なので、慎重にアイロンをかけないと失敗しがちです。アイロンがけに慣れていない方は、少し不安に感じるのではないでしょうか。そこで、アイロンを使わずにシルクのシワを伸ばす方法もご紹介します。
・霧吹きをしてから干す
シワができている部分に霧吹きで水分を含ませてから生地を手で伸ばし、風通しの良い場所で陰干しをします。シルクは速乾性にも優れた素材なので、1日ほど干しておけばアイロンをかけなくてもシワが取れるでしょう。
霧吹きがない場合は、湿らせた布を使うという方法もあります。水に濡らした布を絞り、軽く叩きながらシワを伸ばしていきます。シワが伸びたら、風通しの良い場所で陰干しをしましょう。風通しの悪い場所に干すとカビの原因になりますし、直射日光の当たる場所に干すと黄ばみや褪色の原因になるので、干す場所にも注意が必要です。
生地がツルツルして滑りやすい時は、タオルをあて布にして洗濯ばさみで固定します。なお、市販のシワ取りスプレーはシルクに対応していないものも多いので、必ず事前にご確認ください。
・お風呂場に吊るしておく
入浴後のお風呂場に吊るし干しをした後、陰干ししてシワを伸ばす方法もあります。入浴後のお風呂場は蒸気が充満しているので、シルクを干すと水分を含んでシワが伸びます。あとは、風通しの良い場所で陰干しして自然乾燥させましょう。
ECサイトで購入したシルク製品のシワは伸びる?
ECサイトでシルク製品を購入すると、郵送時の梱包によるシワがついている場合もあります。梱包によるシワが気になる時は、一度お洗濯するとシワが伸びます。取れないシワではないので、安心してご使用ください。
シルクのシワ伸ばしはアイロンのかけ方にご注意を!
シルクはデリケートな素材ではありますが、アイロンをかける時のコツをマスターしておけば、失敗するリスクを大幅に減らせます。長く良い状態を保ちたい方は、今回ご紹介した注意ポイントを参考にアイロンがけをしてみてくださいね。アイロンをかけるのが不安な方は、霧吹きの使用やお風呂場での吊るし干しなど、アイロンを使わない方法でシワを伸ばしましょう。