シルクは自宅で洗濯できる!?失敗しない正しい洗濯方法

シルクは自宅で洗濯できる!?失敗しない正しい洗濯方法

ドレスに着物、パジャマに枕カバーと衣類や日用品に幅広く用いられているシルク。繊維の美しさや優れた機能面から愛用する人も増えていますが、繊細な生地ゆえにお手入れが難しいと思っていませんか?

毎日使うものに関してはしょっちゅうクリーニングに出すわけにもいきませんし、ちょっとした汚れくらいなら自分で落としたいですよね。

そんな皆さんのために、今回は失敗しないシルクのお手入れ方法をご紹介します。

 

 

目次

 

 

シルク素材の特徴

正しいお手入れ方法を知るためにも、まずはシルクの性質から理解しておきましょう。上品な光沢としなやかなドレープ性が特徴のシルクは、蚕の繭を原料とする動物由来の天然繊維です。

人間の肌や髪と同じタンパク質でできているから、低刺激で肌に優しい素材としても知られています。吸湿性も高いため、摩擦や静電気が起きにくいといった特徴もあります。

化学繊維にはないメリットがたくさんある一方で、お手入れが面倒に感じる人も多いようです。なぜならシルクは水や熱に弱い素材で、お洗濯をするとシミができたり、縮んだりする可能性があるから。

シワになりやすく色落ちしやすいこともあり、洗濯が難しいとも言われていますが、お洗濯時のポイントさえ知っていれば簡単です。

 

シルクの正しいお手入れ方法はドライクリーニングのみ!?

シルクは細い繊維が束になってできている素材で、とてもデリケート。水洗いをすると縮みやシワの原因になるので、お洗濯の基本はドライクリーニングになります。

ドライクリーニングとは水を使わない洗濯方法で、石油系の溶剤を使用して洗います。カシミヤやウールなどの動物繊維も水洗いすると縮みや型崩れにつながるので、風合いを損ないたくなければドライクリーニングがおすすめです。


とはいえ、パジャマや下着、枕カバーなど日常的に使う衣類や寝具に関しては水洗い可能なシルク製品もあります。お手入れの際には注意すべきポイントもありますが、正しい方法で洗濯するとより長く良い状態をキープすることができます。

 

シルクを洗濯する前に確認すべきこと

シルクは自宅での洗濯もできますが、普段着と同じように洗ってしまうと傷みの原因になりかねません。シルク製品を長持ちさせるためにも、お洗濯前に次の事項を確認しておきましょう。

 

①洗濯表示を確認する

まずは、お洗濯前に手洗いマークの洗濯表示があるかご確認ください。洗濯表示は衣類についているタグなどに記載された表示記号のことで、桶の中に手を入れているようなマークがあれば、自宅で手洗い可能という意味になります。

シルクやウールなどデリケートな素材は洗濯機で洗うと傷んでしまうため、手洗いマークが付けられています。


ただし、桶のイラストの上から大きな×が書かれていたら手洗いは不可という意味なので、自宅ではお洗濯できません。そのような製品に関しては、クリーニングに出しましょう。

 

②洗剤を選ぶ

シルク専用洗剤はこちら

シルク製品を洗濯するときは市販の中性洗剤、すなわちおしゃれ着用洗剤をご使用ください。洗剤はほとんど弱アルカリ性か中性になりますが、衣類に優しい洗剤は中性洗剤です。

弱アルカリ性洗剤はタンパク質でできた皮脂汚れを落とす力が強いので、タンパク質からできているシルクを洗うと生地の劣化につながります。


中性洗剤は弱アルカリ性に比べて洗浄力こそ緩やかですが、素材に負担をかけません。中性洗剤で洗うとふんわり感がキープされ、毛玉や毛羽立ちの防止にもつながります。

シルクだけでなく、ウールやカシミヤなどデリケートな素材を使用した製品にも中性洗剤がおすすめです。


もっとこだわりたい方や余裕がある方は、シルク専用の洗剤を使用しても良いでしょう。シルク製品に特化した洗剤なので、素材を傷めることなく綺麗に洗い上げてくれます。

 

③色落ちテストを行う

シルクは水に濡らすと、色落ちや縮みが起こる場合もあります。特に色柄物のシルクはたとえ手洗いOKのマークがあったとしても、いきなり水につけると美しい発色が損なわれる可能性も…。

お洗濯による失敗を防ぐためにも、一度色落ちテストを行うことをおすすめします。

【色落ちテストの手順】


1)目立たない箇所に洗剤を垂らしてから、5分ほど待ちます。


2)時間がきたら白い布やタオル、ティッシュ、キッチンペーパーなどを使って洗剤をつけた箇  所を軽く叩きます。


3)色移りはないか、色や柄がにじんだり薄くなったりしていないかなどを確認します。テストを行って問題がないことが確認できれば、手洗い可能です。

色移りが確認できた場合は自宅での洗濯を諦めて、クリーニング屋さんに持って行きましょう。



長持ちするシルクの洗濯方法

ここからは、シルクの洗濯の仕方をご説明します。シルクはデリケートな素材なので、より長持ちさせたい方は手洗いがおすすめです。

 

【シルクを洗濯する手順(手洗い編)】

 

1)洗濯液をつくる

洗い桶に水または30度以下のぬるま湯を入れて、中性洗剤もしくはシルク専用洗剤を溶かします。使用する洗剤の量は、パッケージに記載されている内容に従ってください。
ただし、柔軟剤と塩素系漂白剤の使用は厳禁です。柔軟剤を使うと、繊維が偏って縫い目が乱れてしまいます。塩素系漂白剤を使うと生地が変色したり、溶けたりすることがあるので、たとえ白物衣類であったとしても使用はお控えください。

 

2)やさしく手洗いする


布地を裏返したら洗濯液の中に入れて生地の両側を持ち、力を入れずに優しく振り洗いをします。汚れが気になる場合は軽く押し洗いをするか、気になる箇所をスポンジでポンポン叩くようにして汚れを落とします。

ゴシゴシ擦ると毛玉や毛羽立ちができやすいので、あくまでも優しく洗うのがポイントです。また、液体に長時間浸すと劣化を招くので、短時間で洗い終えるようにしましょう。

 

3)泡が出なくなるまで濯ぐ

30度以下のぬるま湯を桶に入れ、シルク製品を軽く濯ぎます。濯ぎ時も振り洗いや軽い押し洗いにとどめ、2〜3回ほどお湯を換えながら洗剤を落としていきます。泡が出なくなるまで、洗剤はしっかり落としてください。

 

4)タオルで水気を取る

濯ぎ終えたら軽く水気を切り、形を整えてからバスタオルの間に挟みます。タオルの上からシルクを軽く押して、水分をタオルに吸わせます。なお、脱水時も力を入れて絞らないようご注意ください。

 

5)日陰で干す

お洗濯が終わったら、なるべくすぐに形を整えて陰干しをしましょう。シルクには紫外線を吸収する性質があるため、直射日光に当てると変色する恐れがあります。変色を避けるためにも、風通しの良い日陰に干すのがポイントです。

また、干すときは手で形を整えながら伸ばすように干すと、乾いた時にシワができにくくなります。型崩れを防ぎたい方は、平干しがおすすめです。

 

【シルクを洗濯する手順(洗濯機編)】

シルク製品を長持ちさせるなら手洗いが基本ですが、手洗いをする余裕がない時のために洗濯機で洗う際のポイントもご紹介します。

 

1)洗濯ネットに入れる

生地を裏返しにして畳み、洗濯ネットに入れてください。

 

2)手洗いモード(ドライモード)に設定する

洗濯機に中性洗剤もしくはシルク用洗剤を入れたら、おしゃれ着洗いができる「手洗いモード」や「ドライモード」に設定してお洗濯を開始します。

脱水をするなら、時間は短めに。洗濯物はネットに入れたまま、15~30秒ほど脱水します。

 

3)日陰で干す

干すときは手洗い同様、陰干しをしてください。

 

アイロンをかけるときの注意事項

シルクはシワになりやすい素材ですが、一方で熱に弱いという性質もあるため、アイロンをかけて良いのか悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。結論から申しますと、シルクにアイロンをかけても構いません。

ただし、洗濯表示がある場合はそれに従ってください。


1)低めの温度に設定する

ご自分でアイロンをかける時は、低温が基本です。高温のアイロンを直接シルクに当てると、縮みや変色の原因になります。

シルクのシワは低温でも簡単にとれるので、温度は110℃~130℃に設定し、時間をかけずにアイロンがけしましょう。


2)当て布をする

シルクを熱から守るために、当て布の使用もおすすめしています。当て布を使う時は色写りしないよう、白い布が鉄則です。
なお、アイロンがけの際はスチームの使用も控えたほうが良いでしょう。

水滴や水の汚れがそのままシミになることもあるので、ご注意ください。 

 

正しいお手入れで、シルクを長持ちさせよう!

普段、頻繁に使用しないシルク製品であればクリーニングに出せば良いかもしれませんが、毎日使用する製品に関してはご自宅でのお手入れも必要になります。

ただし、手洗い可能な製品であってもお手入れの仕方次第で風合いを損ねてしまうこともあるので、今回ご紹介した方法を参考により良い状態を長くお楽しみくださいね。

ブログに戻る

関連記事